百田尚樹著「モンスター」

幻冬舎文庫・百田尚樹「モンスター」表紙 【あらすじ】田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・美帆。彼女の顔はかつて畸形的なまで醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた美帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった-。(幻冬舎文庫より)

昨年の春に文庫本化され、女優の高岡早紀さんをヒロイン役に映画化もされた、百田尚樹氏のベストセラー。男性著者の作品と思えないほど、美貌に恵まれなかった女性の心の動きの描写の細やかさ(或いは、恐ろしさ、と言うべきか^^;)この作品がベストセラーとなったのも、大部分の女性が感じている美人への「えこひいき」を痛快に抉り出したからではないかな?と、うた的には感じます。


うた自身も、ヒロイン・和子(美帆)ほどではないものの、子供の頃から「可愛い」とか「綺麗ね」
とかいう、女の子の貰う褒め言葉とは、ほとんど無縁?に成長しちゃいました(^^;
何しろ、実の父親でさえ、年頃の娘をつかまえて「お母さんの方が、もうちょっと綺麗だった」と
言う有様ですから、一体、誰に似たと思ってんの!と、苦笑したこともあります(笑)

小さな頃は、それでも大人になると、子供の時に可愛くなくても綺麗になる子は多い、という神話を
ヒロイン同様、信じていましたが、年頃になると、全員が、そうはならないことも知りましたねぇ(苦笑)

あれは、本人の努力というか、化粧栄えする顔立ちというのが有るからだと、今では思ってます。
若い頃には、それでも、お化粧に身をやつしたりもしましたが、いかんせん、化粧栄えしない顔立ちで、
ま、それでも長年付き合ってくれば、こんなもんだ、と納得する程度の不細工さ、なのでしょう(A^^;)

加えて、うたは声も、低くハスキーで悪声でして、よく言えば「個性的な声の持ち主」らしく、
電話などでも、他の人と間違えられることは、まず、ありません(A^^;)
顔はさておき、せめて声だけでも可愛く生まれつきたかった、と思ったことは何度もあります。

この作品のヒロイン・和子は、肌理細やかな白い肌と恵まれたスタイル、ソプラノの美しい声を持ってまして、
美容整形で手に入れた美貌を輝かせる武器を生まれながらにして持ってます。
彼女が整形するたびに、どんどんと女としての武器を実感していくクダリは読み応えが有ります☆
中村うさぎの解説にあるとおり、ある種、女の出世物語とも言える部分です。

ヒロイン同様、新卒の就職活動の折、成績は悪くても一流企業に就職する美人の友達が、
うたの周りにも居まして「世の中、美人は幸せの半分を元から手に入れている」ということにも同感。

学生時代、合コンなどに誘われても、いつも「壁の花」だった経験も、ヒロインと同じです。
美人の娘の方が、性格も明るく素直で優しい、という本文の説明も説得力ある事実でしょう。
「天は人に二物を与えず」という諺がありますが、いやいや、どうして…二つどころか、
三つも、四つも持っている人が居ることは、大人からすれば自明の理です。

ま、それでも美容整形をしようと思ったことが無いのは、うたが、ヒロインほどには不細工でもなく、
美貌というものに多大な期待もなければ、そうなりたい、という欲が無かったからでしょうね(^^;
確かに、美人じゃないから損したなぁ、と思うことは、多々、有りましたが(笑)

ヒロイン・和子ほどの努力もしなかったから当然ですが、ここまで出来る女性も少ないからこそ、
フィクションとして真実味がある作品で、ラストを「報われた」と感じ取る女性読者も多いことでしょう。
ヒロインの壮絶な生き様は、反対に、世の男性陣にとっては、女の恐ろしさ、
可愛い顔して、女の子って、こんな風に考えているのかな?と感じた部分も多いのではないでしょうか(笑)

男性作家だからこそ描ききれた、女性の心の暗部かもしれませんね☆


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うたかたの幻

Author:うたかたの幻
3年ぶりに更新を始めました!気分転換で、お出かけした写真エッセイのほか、読了した本についての感想、鑑賞した映画などなど、諸々思いついたままに綴っています。

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